とごしぎんざブランド「江戸越屋 粋町しょこら」「ありが東京」。
戸越銀座商店街が新たなおみやげとして立ち上げた『とごしぎんざブランド』。
その中に「粋町しょこら」と「ありが東京」がある。
これらを手がけるのは戸越銀座商店街から徒歩6分ほどのところにある株式会社吉村。
日本茶のパッケージ製造で業界トップシェアを誇る会社だ。
商品を企画されている田崎さん、眞田さんに「粋町しょこら」「ありが東京」についてお話を伺い、2つを開発するに至った経緯や思いそして戸越銀座との結びつきについて前編・後編2回に分けて掲載。
前編では「江戸越屋」ブランドと「粋町しょこら」、そして戸越銀座商店街での販売場所についてお伝えする。
『とごしぎんざブランド』について詳しくはこちら。
「江戸越屋」は粋な戸越のおみやげ屋さん。
まもなく創業90年を迎える株式会社吉村の始まりは贈答品に使用される「熨斗」の製造からだという。
その後お客さんの生活に寄り添いながら主力商品が祝儀用品から紙茶袋になり、そして現代の茶袋へと移っていったそう。
その会社が2015年に立ち上げたのが「江戸越屋」ブランド。
戸越の名の由来である「江戸越しの地」をブランド名に借りている。
田崎さんは戸越の歴史に思いを馳せて語る。
「ここから先は江戸という場所であれば多くの旅人がいて、きっと手にはおみやげを持っていたと思います。どんな思いでおみやげを手に取ったのか、贈答品に携わってきた会社としてそういう部分を想像します。同じように皆さんに手に取っていただけるちょっとワクワク楽しい現代の戸越のおみやげが作れたら」
江戸越屋にはこのような思いが込められている。
「粋町しょこら」の”粋町”と”しょこら”
その江戸越屋の最初の商品が「粋町しょこら」。
和のものを取り扱う会社ではあるが作られたのは意外にもチョコレート菓子だ。
チョコレートは現在では日本人みんなが大好きなお菓子になっていて、”贈答品”として多くの方に喜んでいただけるものということが決め手だったようだ。
しょこらにかかる”粋町”については田崎さんの戸越銀座商店街の印象がそのまま投影されている。
「品川区出身なので戸越銀座にはよく遊びに来てます。すごく祭りが盛んで歴史があって、気さくで優しい人が多い街。押しつけじゃなくて気を遣わない優しさみたいな感じが粋(いき)だなぁと思います」
さまざまなニュアンスのある粋という言葉ではあるが”人情の機微をよく理解している”ことを重視して捉えているようだ。
「粋町しょこらも『美味しいから食べてみて。お返しはいらないよ』っていう粋なものとして親しんでいただけたら」と田崎さんは続けた。
粋町しょこらはこの”粋”がキーワードになっているようだ。
「粋町しょこら」は気を遣わないお茶請け。気軽に楽しむ割れチョコ。
「粋町しょこら」は板チョコでも小袋でもなく割れチョコがざっくりと袋に入った商品。
久助のようでもあるが全くそのようなことはなく、あくまで割れチョコとして作られているとのこと。
「板チョコとか箱に入ったチョコはしっかりとピシッとした感じがします。もっと気軽に粋に楽しめるものにしたかったので割れチョコになっています。ずっと茶袋を作っている会社なので袋に入れた商品にしたいというのもありました」
袋も食べたい分だけ自由に割って食べられるようチャック式にしてあるという。
この辺りの心配りも”粋”の現れ。
気を遣わないお茶請けとなっている。
「粋町しょこら」その味はなんと15種類!
味の種類は15種類と豊富。
そのほとんどが和の味のチョコレートに和の味のトッピングとなっている。
「日本茶を長く扱ってきた会社としては日本茶に合う和風味のチョコレートにしたかった」と田崎さんは言う。
いずれの味のレシピも株式会社吉村において開発されたものだ。
たくさん味の種類がある中、眞田さんのおすすめを伺った。
「『みるくに小豆』は美味しいですし人気もとてもあります。あとは個人的な思い入れもありますが『しそに梅」です」
「しそに梅」は眞田さんが初めて開発に参加した品だという。
チョコレートとしては変わり種の酸味の強い組み合わせ。
「ちょっと後を引く味だと思います。酸味がお茶にめちゃくちゃ合います」と眞田さんは推す。
手を出すのに勇気がいるかもしれないが眞田さんの言葉を信じて是非挑戦したいところだ。
また、品川区限定販売、販売期間も限定というなかなかお目にかかれない幻の味のような存在があるという。
その味は品川紋次郎が目印。
もしかしたら戸越銀座で販売する可能性も…という。
運が良ければ見つけられるかもしれない。
可愛らしいパッケージが揃う。味に迷ったらパケ買いもあり。
粋町しょこらのパッケージはいずれも可愛らしい和を感じさせるデザイン。
この辺りは茶袋でのノウハウが詰まっているのだろう。
だがパッケージは、基本的に中身の味を直接表現するものにはなっていない。
「初めに中身の味のものをそのままパッケージのデザインに入れないということを決めていたんです。例えばいちごをモチーフにせずに、江戸越屋の和の世界観でいちごの雰囲気を感じられるようなものを作りました」と田崎さんはそのこだわりを語る。
味を選ぶのに迷った場合はパケ買いもよいだろう。
きっと好みのイメージを手に取れば、味も好みのものが選ばれているはずだ。
バレンタインにはアソートの「十八番シリーズ」もおすすめ。
2月14日のバレンタインが間近。
バレンタイン限定セットや限定パッケージはないとのことだが、人気上位の味を詰め合わせた「十八番(おはこ)シリーズ」はおすすめとのこと。
少しずつたくさんの味を楽しめ、また一袋ずつ配るのにも向いている。
シリーズには「五種のおはこ」と「三種のおはこ」があり、戸越銀座商店街ではバレンタインに向けて期間数量限定で販売されている。
商店街の販売場所について詳しくはこちら。
十八番シリーズの箱の蓋の下には素敵なイラストがある。
開けた際にはちょっと見て欲しいとのこと。
そこには江戸の街に江戸越屋が描かれている。
江戸研究家でイラストレーターの善養寺ススムさんが手がけたものだそう。
戸越銀座商店街での販売場所はギャラリーカメイほか。
「粋町しょこら」「ありが東京」の戸越銀座商店街での販売場所は、現在、瀬尾商店、ギャラリーカメイ、とごしぎんざの牛乳屋の3店舗。
寒い季節には「粋町しょこら」、暖かい季節には「ありが東京」を主に販売している。
※現在、株式会社吉村の事務所では販売を行っていません。
販売店地図はこちら。
バレンタインに向けたこの時期、十八番シリーズも通常パッケージの粋町しょこらも各店に入荷されている。
早めに足を運べば目当ての品が手に入ると思われるが売り切れには注意が必要だ。
※バレンタイン後も販売は続きます。
後編では「ありが東京」、戸越銀座との結びつきについてお伝えします。
VENTO NUOVO代表・チーフデザイナー、撮影担当、よりみちとごし編集長
戸越銀座ウォーカー・しながわのガイドとして商店街と品川区周辺を散策しています
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